神社と寺院 その違い(二)

 

 成り立ちや崇拝対象など、それぞれ異なる性格を持つ神社と寺院。ほかにも、いろいろと異なる点が多い。ここでは、知っておきたい違いを、さらにご紹介しよう。
 神社の「狛犬」と寺院の「仁王像」、守衛役の違いはご存じの方も多いかもしれない。どちらも口を開いた「阿形」、結んだ「吽形」で一対になるのは共通だ。

 神社の「狛犬」と寺院の「仁王像」、守衛役の違いはご存じの方も多いかもしれない。どちらも口を開いた「阿形」、結んだ「吽形」で一対になるのは共通だ。
 狛犬は仏教の伝来とともにもたらされたため寺院に置かれていることもあり、阿吽の表情も仁王像から影響を受けたと考えられている。成立が古い伊勢神宮や出雲大社などには狛犬が存在しないのはそのためだ。
 また、神社によってはほかの動物が同じ神使の役割を果たしたこともあり、稲荷神社の狐や春日大社の鹿などが知られるところだ。

狛犬

狛犬

 

 神社と寺院で行われる行事や、定められた特別な日もそれぞれ異なる。
 神社の行事は、稲作のサイクルに則ったものが多い。
 そのなかで最も重要視されるのが、作物の豊穣を祈る春祭と、収穫の感謝を捧げる秋祭だ。春祭は「祈年祭」や「御田植祭」などと呼ばれ、秋祭は「新嘗祭」などと呼ばれる。また、年二回行われ、半年の穢れを清める「大祓」も欠かせない行事だ。

神社の聖職者は神職

神社の聖職者は神職

 

 一方の寺院は、四月八日ブッダの誕生を祝う「灌仏会」、悟りを開いたとされる十二月八日は「成道会」、旧暦の二月十五日には入滅を記念した「涅槃会」が行われるなど、ブッダの生涯にちなんだものが多い。そして、春と秋のお彼岸も、我々日本人にとっては欠かすことができない行事だ。

寺院の聖職者は僧侶

寺院の聖職者は僧侶

 葬祭に関しても、古くから死者に別れを告げる「神葬祭」という儀式はあったが、一般に行われるようになったのは明治以降、共同墓地が作られ、墓地を持つ寺院以外で葬式ができるようになってからだ。寺院も、葬式は江戸時代に檀家制度が設けられ、寺院が墓地を管理するようになってからということはあまり知られていない。ブッダの教えと直接関係がある訳ではなく、便宜上そうなっただけだ。
 これまで紹介してきたように、神社と寺院はその成り立ちから行事に至るまで、さまざまな部分で異なることが多い。だからこそ、それぞれの違いをしっかりと理解し畏敬の念を持った上で、それぞれに訪れることが重要だ。そしてそれは、我々日本人が守り、次世代にきちんと受け継いでいかなければならない、最低限の知識とマナーでもある。

間々田八幡宮

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