神社創建の理由を知れば祀られる神々が見えてくる

 外来宗教である仏教とは異なり、古の時代から我々日本人が受け継いで来たのが神道だ。神社には多くの神が祀られているし、興った理由もさまざま。そんな日本人特有の神道を、祀られている神々と時代をもとに分類し、考えてみたい。
 古来、日本人は山や草木、巨石といった万物に魂が宿ると信じ、「八百万の神」と言われるほど多くの神々を崇拝してきた。これは、「精霊崇拝」と呼ばれる。また同時に、人々の間には亡くなった人を神として祀る「祖霊信仰」も根強くあり、「精霊崇拝」と「祖霊信仰」の二つが神道の基礎であるとされ、そこから土地の守り神を祀る神社の原初形態「産土型神社」が生まれたと考えられている。

 

 「産土型神社」は、自然の恵みに感謝し、自分が生まれた土地の神様や先祖の霊をもてなし祀っている。
 これらの神社で祀られる神々は、現在では神話としても知ることができる。アマテラスやイザナギとイザナミ、スサノオ、オオクニヌシなどの神話は、各地に残る古い伝承をまとめたもので真偽のほどは不明なことも多いが、古代の人々が自然や祖先を敬い、山や川を見ればそこには神がいると考える、その感性と価値観の一端がうかがえる。

神話に登場する神々

神話に登場する神々

 平安期になると、個人の救済を説く仏教の影響を受けた、御利益で名高い神社を分祀する風潮が生まれる。
これらの神社を「勧請型神社」と呼び、代表的な例では伏見稲荷大社を総本山とする稲荷神社、宇佐八幡宮が総本山の八幡神社などがある。同時に、混沌とした時代だったゆえに、この世に恨みを残して死んでいった人も多かった。その霊を鎮めるために、その霊を祀る神社ができたのもこの頃だ。菅原道真を祀る北野天満宮や平将門を祀る神田神社などがこれにあたる。

 

 その後、日本国内では神仏習合が進むのだが、その中で生まれたのが「寺院転向型神社」だ。これらは、仏教や道教などと結びつき、霊験を得るため修行を行う修験道や、禅寺道場へと発展していった。代表的な神社は三峯神社や榛名神社、古峰神社などがあり、現在では山岳神社と呼ばれている。

信仰の対象だった富士山

信仰の対象だった富士山

 

 江戸時代になると、一般庶民の間で自然物や動物など生活や習慣に根ざした民間信仰の対象を祀った「庶民設立型神社」が各地に数多く作られるようになる。富士山本宮の浅間神社や京都山之内の猿田神社などがこれにあたる。現在では、特殊神社と呼ばれる。
 近代に入ると、国体に功績を挙げた偉人を祀る神社や、権力者自らが死後に自分を祀った神社を作るよう遺言したことでできた神社など「近代成立型神社」が作られるようになる。徳川家康を祀った我が県の日光東照宮がその代表格と言えるだろう。
 明治維新以降は、国のために亡くなった人々の霊を祀るための「招魂型神社」が数多く設立された。代表的な例で言うと、靖国神社や各都道府県にある護国神社などがあてはまる。

徳川家康を祀る日光東照宮

徳川家康を祀る日光東照宮

 こうして見ると、日本人はあらゆるものを「神」として崇めてきたことが分かる。それは、唯一神を崇める外国の宗教とは一線を画す、日本人ならではのものだ。こうして受け継がれてきた日本人としての遺産を、我々は後世にきちんと受け継いでいかなければいけないだろう。


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