時事談話 助川通泰(宇都宮二荒山神社宮司)

宇都宮二荒山神社宮司 助川通泰

旭野:5番目は”布教”について。
助川:やはり神社も主祭神の功績とか、今のようなあくまで宇都宮は二荒山から始まった門前町なんですよと言うことで歴史をご理解戴いて。それと同時に昔から伝わっている伝承等を本当は機会があるごとに勉強戴いて、神様のありがたさと同時に神道的な感謝の気持ちを持つことだね。そうすることによって本当に争いのない平和な世界を作ることが出来る、ということで。
 神道的な精神というのは、神様というのはいろいろな神様があります。1つの神様にも和魂(にぎみたま)と荒魂(あらみたま)という平和の和の心と荒れる心が両方あるんだと。それを一緒に混ぜ取捨選択してそして初めて尊敬できる形の者が出来るんだと。そういう解釈があるわけです。だから「神(かむ)集いに集い(集まり) そして神議(はか)りに議る(協議をする・議論をする)」という。そして皆さんの中から良いものを選んで国を治めてゆく。これは非常に民主主義でしょう?
旭野:はい。
助川:これが要するに政(まつりごと)なんですよね。
ですから神主がいない時代に、昔の部落の長が敵に攻められないところに、しかも一番眺めの良いところに稲穂を納める蔵を作った。それを祠というんです。稲穂の蔵で”ほこら”です。小さなお宮を祠と言うでしょう?
旭野:あぁ。祠って言いますね。
助川:その場所に村長が集まって「神議りに議る 神集いに集い」てこの部落をどうやって治めようかと話し合った。それが昔の政治。それを政と言った。”まつり”というのはそういうものなんですね。
旭野:布教なんですね。お祭りも布教だし。
助川:すから我々は、布教という文字がたまたまあるけれど、神様のご威徳を神徳宣揚(しんとくせんよう)、あるいは神道宣布(しんとうせんぷ)というような言葉を神道では布教を指す言葉として使うわけです。だいたいはそういう精神でご理解戴く。それと浄明正直(じょうめいせいちょく)。浄く(きよく)、明るく、正しく、直く(なおく)という言葉を非常に大切にする。それを守って居れば道徳的にも世の中は治まって行くわけだ。
旭野:ですよね。

代表取締役会長 旭野 一郎

助川:なおかつ、神様のお力でこの世に先祖からの生をうけ生活できることに感謝の気持ちを持って居れば、世の中に不満は何も起こらないと、いうことですね。その辺が神道のいつでも神にこたえる行動なんじゃないかなと思うわけです。神は高天原(たかまがはら)より常に太陽のみ光りとご照覧を下さっていますので。
旭野:最後のまとめ、”読者への提言”になりますが。
助川:はい。二荒山神社というのは非常に市街地にあって、小高い昔の古墳でもあるんです。その丘の頂に。正面に95段の階段を作りまして、しかも昔の城主様が社守をしたということもあるのでしょう。お城作りの石積み15~16m高さまで積み上げて、そして本殿・拝殿・神楽殿、全ての物を揃えた輪奐(りんかん)の美を整えたお社であると。尚且つ各将軍が信仰したように戦運や心願成就の神であると同時に火伏せ(ひぶせ)の信仰もあります。そして安産縁結祈願の大変昔から歴史のある信仰を寄せて戴いた神社です。
 昔は群馬県と栃木県の毛野国の鎮座ということで、4月19日には東國御治定祭が行われ、終戦まで群馬県の知事さんと栃木県の知事さんが参列していた。祝詞(のりと)の中に「群馬・栃木両県(あがた)の国民が幸せであるように」と今でもちゃんと奏上しています。
 社殿的には戊辰の役で消失したために、今の御殿は昔に比べて非常に質素ではあるけれども、家康公が当代棟梁になって社殿を造営しています。徳川家歴代、悪くなるときは必ず綺麗に直し明治までは保存されて居った。彩色されて、ご本殿の中扉にまで絵があったというくらい素晴らしい社殿であったと言われています。
 昔はこの境内で南へ向かうと富士・筑波(山)が見えた。関東平野の一番北に鎮座して、全てを眺望することが出来たというところに鎮祭されていた神社です。今では街の真ん中のビルに囲まれた、市街地の中の鎮座地ですけれども。それにしても街の中にあって昔の国幣中社の待遇を受けた歴史のある神社ですと言って戴いても問題ないですね。
旭野:で、お参りに来ていただく方には駐車場もたっぷりありますしね。
助川:そうですね。
旭野:こちらの一つの財産です。街のど真ん中ですものね。
助川:はい。400台からの駐車場を持っているというのは
旭野:なかなかないですよね。
助川:観光神社ではないけれども、その点では一般の信仰者が大変多くて。
旭野:大勢の方の心の癒しをしてあげるというのは大きいですよね。
助川:そりゃもう大きいことです。ここへ来て、あぁ昔の宇都宮が残っていたと。境内上がってきて始めて昔の宇都宮に出逢えたと。大変喜んで戴くと。ですからご年配の方は、そういう気持ちで来られるし。やはり街の中の緑という事で心安らげると。歴史古く深いご神徳あらたかな神様の心の故郷だということでご参詣戴ければありがたいよね。
旭野:長い時間ありがとうございました。


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